ふるさと納税ワンストップ特例の条件と期限:5団体以内・確定申告との関係・控除のされ方

ふるさと納税のワンストップ特例制度について、使える人の条件(確定申告が不要な給与所得者・寄附先5団体以内)、申請書を出す時期、控除が所得税ではなく翌年度の個人住民税からまとめて引かれる仕組み、申請後に確定申告をすると特例が無効になる点を、国税庁と総務省の公開情報をもとに整理します。

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ふるさと納税の控除を受ける方法には、確定申告をする方法と、ワンストップ特例制度を使う方法があります。ワンストップ特例は確定申告をせずに済ませられる仕組みですが、使える人の条件が決まっていて、条件を外れると特例そのものが無効になります。この記事では、条件・提出時期・控除のされ方・無効になる場合を、国税庁と総務省の公開情報をもとに整理します。

制度全体の仕組みと控除上限の考え方は、ふるさと納税の仕組みと控除上限の考え方で扱っています。

ワンストップ特例は「確定申告をしない人」の手続き

国税庁は、ふるさと納税の寄附金控除について、原則として確定申告で申告する必要があると案内しています。そのうえで、確定申告が不要な給与所得者などについては、ワンストップ特例制度を使える場合があるとしています。

つまりワンストップ特例は、確定申告の代わりになる簡易な手続きではなく、もともと確定申告をする必要がない人が使える仕組みです。ここを取り違えると、後で説明する「申請したのに無効になる」状態が起きます。

使える条件は2つ

国税庁と総務省の案内から、条件は次の2点に整理できます。

1. 確定申告をする必要がない人であること

国税庁は、ワンストップ特例の対象を「確定申告が不要な給与所得者の方」と説明しています。

逆にいうと、次のような理由で確定申告をする人は対象外です。

  • 医療費控除や住宅ローン控除の初年度分などを申告する
  • 給与以外の所得があり申告が必要になる
  • 複数の勤務先からの給与があり年末調整だけでは完結しない

自分が確定申告をする必要があるかどうかは、寄附をする前に確認しておく項目です。

2. 寄附先が5団体以内であること

国税庁は「ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り」対象になると案内しています。総務省の資料も、6団体以上にワンストップ特例を申請した場合は特例が適用されないとしています。

総務省の通知では、申告特例通知書を送付した都道府県知事等の数が5を超えた場合、申告特例がなかったものとみなすとされています。

ここで数えるのは団体の数であって、寄附の回数ではありません。同じ自治体へ複数回寄附した場合でも1団体として数えます。ただし総務省の通知では、同じ自治体へ複数回寄附する場合も、寄附ごとに申請が必要とされています。

申請書を出す時期

総務省の資料では、住所などが変わった場合の届出について「寄附した翌年の1月10日までに申請先に届け出れば特例が適用されます」とされています。総務省の通知でも、申告特例申請事項変更届出書は申告特例対象年の翌年1月10日までは提出される可能性があるとしています。

申請書そのものについては、総務省の通知で、申告特例の求めは寄附金を支出する際に行うことができるものとされており、提出の締切は寄附先の自治体が案内しています。たとえば武蔵野市は、寄附をした年の翌年の1月10日(必着)までに提出するよう案内しています。**必着なのか消印有効なのかを含め、実際の締切の扱いは寄附先の自治体ごとに確認が必要です。**年末に寄附をした場合、申請書が手元に届くまでに時間がかかることもあります。寄附の申込み時に、申請書の送付方法と提出期限を自治体の案内で確認してください。

支払い方法によって「その年の寄附」として扱われる基準日が変わる場合があります。年末の寄附についてはふるさと納税をクレジットカードで支払うときの確認点も合わせて確認してください。

控除は翌年度の個人住民税からまとめて引かれる

確定申告をした場合、控除は所得税と翌年度の個人住民税の両方に反映されます。

一方、ワンストップ特例を使った場合は扱いが変わります。国税庁は、ワンストップ特例の適用を受ける場合、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に納付する住民税の減税という形で控除が行われると説明しています。

つまり、所得税の還付という形ではお金が戻ってこないということです。控除は翌年度の住民税から引かれる形で反映されます。

手続き所得税個人住民税
確定申告控除される(還付が生じることがある)翌年度分から控除される
ワンストップ特例控除されない所得税分を含めて翌年度分から控除される

「還付金が振り込まれないので手続きが失敗したのではないか」と考える必要はありません。ワンストップ特例では、翌年度の住民税の決定通知書で控除額を確認します。

申請したあとに確定申告をすると、特例は無効になる

ここが最も間違えやすい点です。

国税庁は、ワンストップ特例を申請した後に確定申告をすると、ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があると案内しています。

総務省の通知でも、申告特例の求めを行った人が翌年度分の市町村民税の所得割について申告書を提出したときは、申告特例がなかったものとみなすとされています。

無効になるのは、後から出した確定申告の対象になった寄附だけではありません。ワンストップ特例を申請したすべての寄附が対象です。したがって、確定申告をすることになった場合は、ワンストップ特例で申請した分も含めて寄附金控除として申告し直す必要があります。

よくある流れは次のようなものです。

  1. 年内に4自治体へ寄附し、それぞれワンストップ特例を申請した
  2. 翌年になって、医療費控除を受けるために確定申告をすることにした
  3. この時点で4件分のワンストップ特例はすべて無効になる
  4. 確定申告で、医療費控除と合わせて4件分の寄附金控除も申告する必要がある

3を見落として4件分の寄附を申告しないまま確定申告を終えると、ふるさと納税分の控除を受けられない状態になります。国税庁は、誤って控除を受けずに申告した場合は更正の請求で対応できるとしています。ただし、寄附金控除を適用しても最終的な所得税等の額が変わらない場合は更正の請求ができないため、お住まいの市区町村に相談するよう案内しています。

申告書の作成を任せたい場合

明細書や確定申告書は自分で作成できますが、ほかの所得もまとめて申告する年など、作成に不安がある場合は税理士に依頼する方法もあります。依頼先を探す手段のひとつとして、税理士紹介センタービスカス(運営:株式会社ビスカス)は、確定申告に対応する税理士を無料で紹介し、紹介サービスの利用に費用はかからないと公式サイトで案内しています。税理士に依頼する際は税理士に支払う費用が別に発生するとも案内されているので、依頼内容ごとに見積もりで確認してください。

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住所などが変わったときは変更届出書を出す

申請書を出した後に住所や氏名が変わった場合は、変更の届出が必要です。総務省は、寄附した翌年の1月10日までに申請先に届け出れば特例が適用されると案内しています。

引っ越しの予定がある場合は、寄附先の自治体それぞれに届出が必要になる点に注意してください。届出が漏れた自治体の分は、特例が適用されない可能性があります。

申請前に確認しておく項目

ワンストップ特例を使うかどうかを決める前に、次を確認しておくと後戻りが減ります。

  • その年に確定申告をする予定があるか(医療費控除・住宅ローン控除の初年度・副業の所得など)
  • 寄附先が5団体以内に収まるか
  • 各自治体の申請書の提出期限と、必着か消印有効かの扱い
  • 申請書に添付する本人確認書類の種類
  • 引っ越しの予定があるか

確定申告をする可能性が少しでもある年は、最初から確定申告でまとめて申告するほうが、手続きの数も間違いも減ります。

まとめ

  • ワンストップ特例は、もともと確定申告が不要な給与所得者などが使える仕組みです
  • 寄附先は5団体以内。6団体以上に申請すると特例は適用されません
  • 総務省の資料では、変更の届出期限を寄附した翌年の1月10日としています。申請書の締切の扱いは寄附先の自治体の案内で確認してください
  • 控除は所得税からではなく、所得税分を含めて翌年度の個人住民税から引かれます
  • 申請後に確定申告をすると、申請したすべての寄附について特例が無効になります。その場合は確定申告で寄附金控除として申告し直します

制度や取扱いは改正されることがあります。手続きの前に、国税庁と寄附先自治体の最新の案内を確認してください。

申告書の作成を税理士に依頼するかどうかは、依頼内容と見積もりを確かめてから決めてください。

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参考

記事の確認に用いた公開情報です。